シスターからのメッセージ⑯ シスター菅野敦子

2022-01-01

1.名前: 菅野 敦子Sr.菅野②


2.プロフィール:

名古屋港教会使徒職、
聖心女子専門学校、
不二聖心中学校、高等学校、寄宿舎、英語、宗教
聖心女子大学学生課、学生生活課
不二聖心中学校、高等学校 英語、宗教
退職後(2009年3月)現在に至るまで:
「みこころの道」月例会(若者の集い・聖書講話)
「語ろう会」
大学内マグダレナ・ソフィアセンター(カトリックルーム)と学寮内  週1回


3.座右の銘(好きな言葉)

    Bequeath
If parents pass enthusiasm along to their children,
they will leave them an estate of incalculable value.  By Thomas A Edison

私がまだ教師として駆け出しの時でしたでしょうか。終生誓願前、専門学校で英語を教えていた時のことでした。私の英語のクラスの一つに私が御し難い一人の学生がおりました。時々厳しい眼差しで私を見つめ、授業中何もしていませんでした。或る時、私は彼女と何とか関わって話さなければならないと決心し、マグダレナ・ソフィアに助けを求め、祈りました。授業後、「私の授業に何か不満がありますか」と彼女に尋ねました。彼女は「シスターはいつも私ばかりを注意し、いつも厳しい顔で私を見ているからです。」と私に抗議しました。そして、一週間後、授業が終わった直後に、彼女は私の所に来て、「シスター先週は御免なさい。実は私はシスターが私を嫌っていらしたと思っていたのです。」と告白してくれました。振り返って見ましたら、私の心の中にも彼女が「苦手」と思っていることに気付かされました。私の心の中から「あなたを受け入れたいの」という激情のような愛の炎が私の心を突き動かしました。私はどのようにしたら子供に(人に)「あなたはこれでいいのよ」という優しいメッセージを伝えることが出来るのかと思案していました時、この「詩」に出会ったのです。この詩こそ私に情熱を燃やすきっかけとなり、彼女(あの学生)「計り知れない財産を残してくれた」言葉と思い、学生たちに心を込めて読んだ詩です。以後この詩は、私のシスターとしての教師生活の支えとなってきました。

4.卒業生へのメッセージ

コロナ感染拡大はオリンピック・パラリンピック競技大会後、徐々に感染者の数が減少し、コロナ終息への細やかな希望の兆しとして見えてきたと思っているこの頃です。私たちは、ウイルスが人の「いのち」を脅かす怖さを経験し、マスク生活の窮屈な生活から早く脱却し普通の生活に(new normal)戻りたいという強い願いが、コロナ対策を積極的に実践できるよう促してきています。聖書では弟子たちが湖で命の危険を感じた時、イエスは「私だ。恐れるな」と言われています。私たちの中心がイエス・キリストにあれば、命の危険が迫っているこの時にこそ、この方に必死にしがみつきたくなるものですが、私は弱い者であって、弱い自分に戻ってしまうのです。しかし、イエスに「助けてください」と叫ぶ時、イエスはその時こそ喜んで「私にしがみつきなさい」と言われるのではないでしょうか。湖に吹きまくる嵐も、コロナも「恐れることはない。」と私たちに呼びかけ続けられるイエスの声を聞きたいものです。