シスターからのメッセージ ①シスター宇野三惠子

2020-10-01

1.名前:宇野三惠子   宇野写真 カラー (1)上半身 ②

2.プロフィール:

  聖心女子学院、不二聖心女子学院、小林聖心女子学院教諭。札幌聖心女子学院及び小林聖心女子学院校長を経て、現在、聖心会日本管区管区長、学校法人聖心女子学院理事長。JASH名誉会長。

3.座右の銘:

「Life is a mystery.  We discover the meaning of life and the mystery of life, not through solving problems, but living them. (人生とは神秘である。私たちは問題を解決することではなく、その問題を生きることを通して、人生の意味と命の神秘を見出すことができる。)」若い時にあるシスターから教えていただいた言葉です。人生の途上において、人はさまざまな出来事に出会います。時には苦しく悲しい出来事に出会い、問題を必死で解決しようとします。しかし、命や人生にかかわる問題は、そのことと共に生きることを通して、新たな次元に導かれ、人生の本当の意味を見出すことができるようになるのだと思います。どのような出来事にも何一つ無駄なものはなく、その中で共に生きておられる神の語りかけにじっと耳を傾けて生きていくことを通して、一人ひとりに与えられた命の神秘に気づかされます。

4.メッセージ:

COVID-19は公衆衛生上の課題のみならず、人間のあり方・生き方にまつわる大きな課題を、私たちに投げかけているのではないでしょうか。先行き不透明で、社会全体に閉塞感が漂う中、人や社会との「関わり」を再構築するために、どのような新しい生き方に向かっていくかが問われているように思えてなりません。すっかり定着した感のある「Social Distance」ですが、その意味することはあくまでも「Physical Distance(身体的距離)」であり、ウイルスといえども、人間同士の温かい心の交わりを切り離すことは不可能です。それどころか、人間の創意工夫で新しい「心の距離」を生み出していくこともできるのではないでしょうか。身近なところで、また世界のどこかで、小さな思いやりの輪が生まれているという嬉しいニュースに接し、今回のコロナ禍は21世紀という時代に向けての大きなチャレンジであることを感じずにはいられません。しっかりと社会の現実に目を開き、孤立し、苦しんでおられる方々に思いを寄せ、何らかの働きかけができますようにというのが、今の私の願いです。