JASHスタディグループ報告 ―第10回から国内最終発表まで―

2014-06-26

2014年のAMASC世界大会に向けて、期間限定の委員会として発足したJASHスタディグループ(2011~2014)は、6月14日「JASHヤングアラムネとスタディグループの集い」における最終発表を以って国内の活動を終了致しました。

東日本大震災の起きた2011年、JASH主催のオ―ル聖心ミサを終え、会員の皆さまからお預かりした義捐金の配布も一段落しようとしている10月、スタディグループは立ち上げられました。AMASCから提示されたテーマはListening with One Heartでした。

8つの同窓会から24名の会員が集まり、 8月と12月を除いた偶数月の第4火曜日にブルーパーラーで勉強会を開催しました。会を重ねるうちに一人二人と参加登録者も増えて43名となり、2013年3月の「JASHの日」にはAMASC会長をお迎えし、ヤングアラムネのメンバーも加わって中間発表を行いました。

サブテーマに従って作られた3つのグループは、その後も熱心に勉強会を続けてきました。毎回出席率も良く和気あいあいと賑やかな集まりでしたが、本年2月25日の第10回ミーティングが最後のディスカッションの日となりました。

第1グループ
Listening with One Heart to the Voice of the Poor
経済的貧困から心の貧困に目を移し、モノにあふれながら、満たされない気持で病んでいる日本人の心について考える。

第2グループ
Listening with One Heart to the Concerns of Others―Discussion between Cultures
人の話を聞くことの難しさの原因が、育った文化や時代の違いにあると気付き日本人のアイデンティティーについて考察した。西洋文化の中におかれた日本人が、心の奥底で違和感を覚えながら悩み続けてきたことに注目した。

第3グループ
Listening with One Heart to the Dialogue between Science and Religion
「人間にとって科学とは何か」村上陽一郎・「科学と宗教と死」加賀乙彦・「空の知恵、科学の力」茂木健一郎・「科学者が人間であること」中村桂子等々多くの文献を読み、科学と人の関わり方について話し合った。クローンをはじめ様々な分野での研究が進み、人間の生命に関する判断は科学者だけの課題ではなくなった。治療など、それを受ける側にも倫理観、宗教観そして英知が必要になる。白黒はっきりさせない日本人の柔軟性は曖昧とも見られるが、それこそが宗教と科学の対話を実り豊かにするのではないか。

4月22日
グループ別にリーダーがスタディの総括を発表。
(各グループの詳細な発表文を希望さる方は、お問い合わせより申し込んでください。)

6月14日
AMASC東京大会記念基金委員会と共同主催の「JASHヤングアラムネとスタディグループの集い」に参加し最終発表を英語で行いました。
(詳しくはウェブサイトに掲載された「JASHヤングアラムネとスタディグループの集い」をご覧ください。)
当日発表文の和文要約はこちらから

これまで3つのグル―プがそれぞれのテーマに従って進めてきた勉強会でしたが、勉強を重ねるにつれ各グループを通じて流れる一本の線があることに気が付き、どのグループも「日本人のアイデンティティーの自覚」という同じゴールに到達しました。このようにして最終発表はそれまでのグループ別の報告を再考し、一つに凝縮して作られました。しかしこのゴールは未来へのスタートラインでもあります。これからも私達をとり囲む声に耳を傾けていく努力を続けていかなくてはなりません。

11月に私は、6月14日にスタディグループの代表として発表をしてくださった岡村 香さんとともにAMASCアリゾナ大会に参加してJASHスタディグループのプレゼンテーションを行う予定です。スタディグループのメンバーはもちろんのこと、ミーティングに出ていらっしゃらなかった方々も、ぜひ大会参加をお考えください。

世界中の聖心の同窓会がそれぞれに勉強会を開いて、Listening with One Heart という共通のテーマに取り組んできたこの数年間ですが、参加した私達はそれまで見過ごしてきた情報にも敏感となり、理解するために話に耳を傾けることで相手に対する敬意を覚え、同じ教育を受けてきた同窓生や姉妹校への一体感を感じながら過ごしてきました。堀田公子JASH前会長が折にふれ語られた「AMASC大会における3本柱の一つ」としてのスタディグループの存在意義を重く受けとめ、次に引き継いでいきたいと思います。
ありがとうございました。
                            山岡靖子 記

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