AMASC Joigny臨時各国会長会議報告

2011-01-08

JASH会長 堀田公子

AMASC マルタ大会報告の中でお知らせしたように、大会の折の各国会長会議に於いて次期会長及び役員選挙を実施できませんでした。そこで、その選挙を第1の目的として、2010年12月1日2日に、フランス・ジュワニーで臨時会議が開かれました。

マルタ会議のあと、選挙延期に納得していなかったペルーを中心とした南米諸国とAMASC執行部の間にEmailでの激しいやりとりがあり、その間 に、ペルー組、コロンビア組の両者とも立候補を断念するという事態になり、一時はAMASCの存続さえ危ぶまれました。8月1日の締め切り直前に、アメリ カ、カナダがチームを組んで出馬し、役員候補も出揃って、選挙が実施されることになりました。JASHはこのようなAMASCの混乱ぶりに懸念を表明、以 下4議題を提出し、関係者全員に熟考を促しました。

その議題とは
1.AMASC会長候補はマニフェストを発表すること
2.役員の役割を定義すること
3.AMASC会費を免除されている国からの役員推薦は禁じること
4.インターネットの活用と濫用について

選挙は、選挙管理委員長を小堀名誉会員、委員をフランス、ドイツの会長が務め、代理出席者の扱いなど不備なことはあったものの、滞りなく終了しました。

これらの諸問題について、JASHはAMASCからの要望に応じ、11月15日を締め切りとして、執行部、役員、各国会長からの意見を取りまとめ、その結果をジュワニー会議で発表するという役割を引き受けました。

会議には26名の参加者と傍聴者数名があり、11月30日夕方のミサ、夕食から始まり、2日間にわたって、次のような順序で進められました。

1.AMASC会長、Sr. Chantalによる歓迎の挨拶と祈り
2.次期会長、副会長、役員及び名誉会員選挙
3.新会長の受諾演説、テーマの発表
4.前会長・副会長によるウガンダプロジェクトの説明
5.新会長より新役員の役割発表
6.JASH会長によるJASH提案の発表とそれについての話し合い
7.新会長によるテーマの説明
8.ヤングAMASC報告
9.第15回AMASC世界大会についての意見交換

Pamela Snyder新会長の受諾スピーチは、内容もプレゼンテーションも格調高いものでした。幼少時を日本で過ごした親日派の新会長は、1986年AMASC東 京大会がAMASCとの関わりの発端であったということで、その折の皇太子妃(現在の皇后陛下)のスピーチを引用し、愛こそがすべての違いを乗り越えて、 私たちをより深い一致に導くとして、これからの4年間のテーマを”Listening with one Heart”と発表しました。これを日本語にすると、“心を一つにして耳を傾けよう”とでもなるでしょうか。一つにする心とは聖心の卒業生皆の心であり、 それは聖心(みこころ)と一致するものであるという意味と解釈できます。

ここで、任期を終えようとしているHermine Asten会長、Claudia Taylor-East副会長がパワーポイントを使って、AMASCが聖心会、SOS Malta(マルタを拠点とするNGO)と協力して展開しているウ ガンダにおけるプロジェクトの説明をしました。すべてのAMASC会員がこのプロジェクトに関与しているということを強調、一連のメールの中で、 AMASCが一部の活動家の活動の場になっていく危険性があると言ったJASHの主張を意識していることは明白でした。

第2日目、Snyder会長より新役員の役割が発表されました。目新しいことは、ホスピタリティーの責任者が今会議欠席のEmilia Arrieta新役員 (ペルー)で、カナダ同窓会会長と協力して行うとのこと。これは2014年の大会がモントリオールで行われるための特別のはからいであるという説明でした。

さてその後JASHの提案した4議題について説明するようにと15分間を与えられました。事前に送られたアジェンダにはこの4議題しか載っていな かったので、十分に話し合いをすると思っていましたので、15分の発表、質問に5分と言われたときには、びっくりし、失望もしました。結局午後に話し合い の時間を作るということで納得し、その場ではJASHによる皆の意見取りまとめの結果を発表しました。出席者の大半が、真剣に共感を持って聞いてくれたこ とが大変うれしいことでした。

日本の提案に返答を送ってきたのは、執行部からはイングランド会長としてのGillie Collyer総書記のみ、役員からはアメリカ人で次期副会長候補としてのBarbara Lopiccolo、それに12人の各国会長、名誉会員のTrish Burnsという全部で15人でした。

第1議題については、回答をくれた人全員が、会長候補は前もってマニフェストを出すべきということで一致しました。しかし、JASHの言うマニフェ ストとは、会長候補がどのような方向にAMASCを導いていくかということを明らかにしてほしいと言う意味であり、ここでAMASCの存在意義について意 見が分かれる可能性があることを説明しました。AMASCが全世界の聖心同窓会の統合組織であることに異なる意見を持つ人はいなかったのですが、 Burns名誉会員によれば、AMASCはそれ以上のもの、すなわち「AMASCはその会員が人類に奉仕することを助ける」という大きな目的があると言う のです。これは現AMASC会則からの引用ですが、私は、JASHの主張はこの会則の条項と全く矛盾しないことを説明しました。AMASCは、会員である 各国同窓会が人類に奉仕するのを助けるべきものである。あくまでも各国同窓会の統合組織であることが第一義であるということを、数人の各国会長も強調して いたことを確認しました。各国の同窓会がAMASCに対して異なった意見を持つのは当然のことで、それだからこそマニフェストが必要だと日本は主張したの です。書式などについては新政権に任せると申しました。

第2議題は役員の役割について、JASHは利益代表の形で、役員が各地域の代表になるのは反対であって、AMASCの問題を皆で考える役員会でよい と思っていることを説明しました。もし地域にわけるのなら、わけかたの基準をよく考えなければなりません。地理上の地域、人口による分け方など。便宜上で あれば、今まで通り、AMASCからの情報を伝達するのにコ-ディネーターがいればいいのではないか。賛成反対の決をとった上で、もし担当役員を置く場合 は時間をかけて大変慎重にやるべきと思うと言いました。

第3議題は、会費免除を受けている国からの役員選出すべきでないという提案でした。現在のAMASC会則では会費免除は執行部だけの判断で決定でき ます。一般の各国同窓会会長は、特に気をつけて会費の支払い状況を見ていない限り、そのことを知らされないのです。マルタ大会の折、いつのまにか会費免除 をされていたインドから役員候補が出ていました。会費免除を受けるのは事情があれば仕方がないのですが、そのような国から役員が出ることは適当ではないと JASHは考えました。しかし、「聖心の家族」の中で会費免除を悪用するようなことは考えられないのだから、もちろん役員になることもかまわないという意 見が大勢を占めました。JASHはその状況を説明し、その場合は、会費免除の理由をできる範囲だけでよいから、はっきりさせてほしいと要望しました。

第4議題のインターネットの使用、濫用の問題については、便利なシステムということでは全員が一致しました。何の問題もないという人もいましたが、 実際に、過去4年間に内部で複数回のチェーンメール、外部から2回にわたるふりこみ詐欺の類のものがありました。これに対して、新しい執行部にできるだけ の対策をたてること、ウェブサイトを活用してメールをなるべく少なくすることを要望、会員自身自衛しようと呼びかけました。

これら日本からの動議について、午後からまとめの話しあいをしました。正式な各国会長会議でないという新旧両執行部の認識で、決を取ることはなかったのですが、かなりのインパクトがあったことは確かです。Fedi Rossi文書係から、今回の発言の原稿をAMASCアーカイブスに残すので署名入りで送るようにと言われ、帰国後、その書類を郵送しました。

JASHの提案に対する話し合いのあと、Snyder新会長がサブテーマの可能性として次の3つをあげました。
1.Listening to the voice of the poor with one Heart
(心を一つにして貧しい人の声に耳を傾けよう)
2.Listening with one Heart to the concerns of others
(心を一つにして他人(ひと)の心配事に耳を傾けよう)
3.Listening with one Heart to the dialogue between science and religion
(心を一つにして科学と宗教の対話に耳をかたむけよう)

Snyder会長はこれらのサブテーマを参考に、各国でスタディーを行ってほしいこと、その折、耳を傾け、祈り、実践してほしいということでした。 そこでTaylor East副会長(2006-2010)が発言し、このように社会のニーズに応える、それはまさにMillennium Goals(国連ミレニアム宣言)を実現すべく行動することで、これこそがAMASCの役割であり、AMASCにブランドを与えるものであると説明。これ に対してSilvia Wollersheimドイツ会長が、AMASCにブランドなど必要ないと反論しました。この考え方に同調したのは日本のほか、フランス、ベルギー、イタ リア、オーストリアなどです。

次に、Claudia Nicolaijeヤング担当役員がヴォランティア募集呼びかけやフェースブックを使って若い人たちをAMASC活動に誘っていることを報告しました。過 去4年間でヴォランティアに応じて活動に参加したのは、5,6人ということでした。このように若い人たちが個人としてAMASC活動に参加する可能性と各 国同窓会を通して参加する可能性を共存させるべきなのか、今後の推移を見守る分野であると感じました。

さて会議の最後に、これまでAMASC役員であったBeatrice Raffoul を総責任者として、2014年カナダのモントリオールで開かれる第15回AMASC世界大会についての、情報交換がありました。モントリオール聖心の創立 150年記念行事の一環としてAMASC大会を開催するので、生徒たちを巻き込むことを考えているとのこと。時期についても色々な意見を聞き、多分秋にな るとのこと。10月頃になる可能性が大きい様子でした。JASHとしては、インフォーマルなお茶の席で、外部からのスピーカーは少なく、各国の同窓会活動 の様子を聞きたい旨、希望を述べました。

今回の会議を総括すれば、特にヨーロッパ以外からの参加者にとって、経済的時間的な負担が大きかったことは紛れもない事実であり、その責任の所在を 最後まで明らかにしなかった旧執行部への失望感は隠せません。しかし聖マグダレナ・ソフィアご生地という特別な場所での会議は、参加者にとって、聖心の原 点を直に体験できるという得難い機会となりました。200年以上前に、ジュワニーというフランスの小さな田舎町の小さな家で、しかも7カ月の早産で生まれ たひとりの小さな女の子が20歳の若さで作った学校が、このように世界各地に広がったこと自体、奇蹟以外の何物でもないと実感しました。そしてまた、広 がった各国から卒業生たちが、この特別の場所に集まったことも感慨深いものがありました。

ジュワニーで新しいアメリカ―カナダ執行部とその役員会が誕生しました。聖心家族の一員としてのAMASCの健全な再出発の一歩が踏み出されるものと期待しています。