Staying 日本語訳「留まる」

2018-05-21

留まる

私たちのなかのフィリピンに対する尊敬の念と、彼女によって掻き立てられるインスピレーションを知ったなら、フィリピンはさぞびっくりするでしょう。何年も前、初めてフィリピンについて聞いた時、私は彼女の宣教に対する熱意に強い印象を受けました。国内にはしなければならないことがたくさんあり、社会は多くの困難や課題に直面していたにも関わらず、フィリピンが自らの境界の遥か彼方に目を向け、キリストの聖心の愛を「地の果てまでも」もたらすことを望んでいたことに驚きました。

帰ることが不可能に近いと知りながら、全てを捨てて広大な海を渡る決断をするのは、私にはとてつもない勇気を必要とする大きなリスクと思われました。私は彼女にこの航海に乗り出す勇気を与えた、深い心の底からの願望に感服したのです。

フィリピンの話を初めて知ってから何年も経った今、私が彼女について最も敬愛しているのはむしろ後に起きたことと気が付くようになりました。それは、はるばる訪れたこの新しい国で遭遇した日々の困難、最も近しい姉妹たちの理解を得られない苦しさ、宣教の対象であった先住民と暮らす夢の叶うまでの長い年月、彼らの言葉を身につけることができないもどかしさです。そして障害だらけのこの長旅の間、彼女をこの冒険に駆り立て、一見失敗ばかりのなかで彼女に寄り添い続けた愛、そのイエスの愛にフィリピンは常に根差して揺らぐことはありませんでした。

今日、私たちのカリスマに忠実であるためにできることは何かと考える時、私はフィリピンの大胆さに敬服するとともに、困難の只中に留まり、自分にとっての限界に触れる様々な現実の近くに身を置き、誤解や誤りを受け入れる術を知る彼女の力を求めて祈ります。なぜならば、全ての神の子と分かち合うことのできる豊かな命を与える御方の、私たちへの愛を確認し明らかにすることのできる聖なる空間が、そこにもまた開かれているのです。

 

作:パオラ・グリッリョRSCJ    アルゼンチン-ウルグアイ管区
絵:ミルトン・フレンツェル
訳:中山洋子

 

Staying

English  |  Español  |  Français